現状把握と“100%未達”のボトルネック特定
本プロジェクトは、食品製造会社Aにおける食品廃棄の実態把握から着手した。一部エリアの店舗において、野菜・果物の未使用部分が焼却処理されており、その廃棄量は1日あたり約370kg、月間約10t以上にのぼっていることが判明した。
また、食品リサイクル率が100%に到達していない要因を整理した結果、当該エリアには食品リサイクルが可能な処理施設が存在せず、加えて収集運搬を担う処理会社も確保できないという、地域インフラ上の制約が根本課題であることが明確となった。
このため、従来型の外部委託による対応は困難であるとの認識を関係者間で共有し、自社拠点を起点とした新たな循環スキームの構築を検討する方針を定めた。
自社拠点起点による循環スキーム構築と運用定着
次の段階として、食品製造会社Aの自社物流センター内にリサイクル基地を整備し、野菜・果物の未使用部分を対象とした発酵分解装置を導入した。
これにより、従来焼却処理されていた未使用部分を一次発酵物へ転換する体制を構築した。
生成された一次発酵物は協力農家様へ有価物として供給され、農家様の圃場にてたい肥化される。
そのたい肥を用いて栽培された野菜は、再び食品製造会社Aの店舗で販売される仕組みとし、食品資源が地域内で循環するリサイクルループを確立した。
さらに、関係者間で役割分担および運用ルールを整理することで、単発的な取り組みにとどまらず、日常業務として継続可能な食品資源循環の仕組みとして定着させている。
自社物流センターの活用で静脈・動脈物流活用脱炭素施策を可能とした
食品発酵機器を自社物流センターに設置することで、店舗への商品運搬の帰り便を活用し、持ち帰りが可能な仕組みを構築。
動脈物流の活用により循環物流を成立させるとともに、機器投資についても委託費用削減により、実質的な大きな費用負担なく目的を達成した。
クライアント様の声CLIENT VOICE
自社拠点を起点とした循環構築により、
食品リサイクル100%が現実解となった
- 地域に処理施設がなく「やりたくてもできない」状況だったが、自社拠点を起点にしたことで現実的に回り始めた
- 焼却していた未使用部分が、たい肥となり野菜として戻る流れができ、
取り組みの意義が社内でも共有しやすくなった - 食品リサイクル率100%に近づけるだけでなく、
循環の“見える化”が進み、継続するモチベーションにつながっている
担当者からの一言STAFF VOICE
地域に処理インフラがない場合でも、「できない」で止めずに、自社拠点を循環のハブにすることで打ち手は作れます。本件は、食品廃棄物を“コスト”から“資源”へ転換し、CO₂削減とリサイクル率向上を同時に実現した好例です。
今後も、各地域の制約条件に合わせた無理のない循環設計を伴走型で支援していきます。
